弱め界磁に入る前に、
この項目を理解しておかないと難しいと思いますので、
先に逆起電力を説明しておきます。
さて、
モーターの回るしくみ(直流)で、
なぜモーターが回るのか、というものが理解できましたでしょうか?
その上で、フレミング右手の法則って知ってますか?
これは、左手の法則が「モーターを回す」法則であるのに対し、
右手の法則は「発電機で電気が発生する」法則です。
基本的には「左手の法則」と同じですが、
発生する電気の流れる方向が、右手とは逆になります。
モーターの電池を外して、こんな状態にします。
この段階で、既に磁界は発生しているので、
人差し指の磁束は右の方向へ向けます。
次に、線をモーターの説明と同じように、
反時計回りに回してみます。
フレミング右手の法則では、親指は下へ向けます。
これで、電流の発生する条件は整いました。
この状態で、中指の方向を見ると、
手前、自分の方向を向いていますね。
これで、電流が発生しています。
「モーターの回るしくみ」で説明した、同じ回転方向なのに、
電流の向きはまったく逆になるのです。
不思議でしょう。
ご理解いただけましたでしょうか?
これを踏まえて。
試しにモーターを回してみましょうか?
フレミング左手の法則にしたがって、モーターを回すと、
力が発生します。
この力が発生した段階で、フレミング右手の法則を導入してみましょう。
磁束と力が出来ているので、モーターを回す電流とは逆方向に、
新たに電流が発生してしまいます。
これを「逆起電力」と言います。
そのため、モーターがある程度の回転数に達してしまうと、
モーターの駆動電力と逆起電力がつりあってしまいます。
逆に言えば、発電機でも同じ現象が発生しています。
発電機の場合は、発電機を回す力と逆方向の力が発生します。
電車で使われているモーターは、磁石の代わりに界磁コイルを使っていますので、
電力を増やせば増やすほど磁界の力も強くなり、
駆動電力に比例して逆起電力も増えてしまいます。
つまり、
いくら駆動電力を増やしても回転数が上がらなくなってしまいます。
では、回転数を上げるにはどうしたらよいでしょうか?
それでは、弱め界磁に進みましょう。