車両別リファレンス
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制御方式 | VVVFインバータ制御(GTO素子) |
連続定格出力 | 18240kw/16両 |
最高速度 | 300km/h |
台車 | WDT−205 |
主電動機(MM) | WMT204 285kw |
編成定員 | 1324名 |
M | M1 | Mp | M2 |
パンタ、コンプレッサーなど | 主変換装置(CI)×2 | 主変圧器(MTr) | 主変換装置(CI)×2 |
4両1ユニット構成で、すべてM−M1−Mp−M2の順で並んでいる。
ユニット構成の基本になる主変圧器はMp車に搭載。4両分を賄う。
M1車とM2車に、主変換装置(CI)を2台搭載。M1車はM車を、M2車はMp車の主変換装置を搭載している。
JR西日本が独自に開発した新幹線車両。1992年に、新大阪〜博多間を速度350km/h、2時間20分台で結ぶ事を目的に、技術開発のために作られたWIN350のテスト結果をもとに製造された。騒音や振動の現状維持など環境にも配慮するために数々の新技術が使われている。15mにもおよぶ長ロングノーズの先頭車は、微気圧波対策として採用されたもので、車体断面も丸くなって断面積を減らしている。車体もアルミハニカム構造を採用し、軽量化とともに車体の中空化により車内騒音の低減も図った。
新開発された翼型パンタグラフは、300km/h走行時における風切音の低減などを目的に作られたもので、「フクロウの羽」からヒントを得た「ボルテックスジェネレーター」と呼ばれる突起はあまりにも有名。また、セミアクティブサスペンションを量産車としては初めて導入した。側引戸(ドア)も余計な突起や凹凸を無くすために内プラグドア方式となり、300km/h走行中のトンネル進入、気圧変動対策としてドアエンジンや戸押え装置も、従来の車両とはまったく違っている。特高圧引き通し線の車両間渡りも300系ではガイシ(ケーブルヘッド)を使っていたが、騒音低減のために直ジョイント方式となり車両間を直接つないでいる。ただし、8・9号車間は台車検査時に切り離す事があるため、従来のガイシ方式(五度傾斜ケーブルヘッド方式)を採用している。
台車はWIN350で試用された軸ハリ式台車を採用している。両先頭車とパンタ搭載号車、グリーン車には左右動ダンパに代わってセミアクティブダンパを装備している。また、W1編成では両先頭車はアクティブダンパも試用されたが、不採用となった。
メンテナンス性の向上にも取り組んでおり、機器も基本的にレール方向に配置してある。交番検査などにおける床下機器のメンテナンスは、基本的に側面のフサギ板を取り外す事で出来るようになっており、検修側の負担の軽減にもなっている。
主電動機の出力は300系の300kwに対して285kwと小さくなっているが、オールM編成となったために全体の出力は上がっている。
車内設備は、基本的に300系を基本としている。ただし、車両定員などは違う。
言わずと知れた人気者。新幹線500系。WIN350(500系900番台)で培った技術を元に製造された。量産先行車とも言えるW1編成は、W2以降の編成とは若干仕様が違う。
検修作業的には、やっぱり速い速度で走るせいと、走行距離の伸びがかなり激しいために、検修はけっこう大変。ドア(側引き戸)もプラグドアで丸みを帯びているために、ただでさえ重たくて取り外しにくいドアが余計に取り外しにくい。どうでもいいが、側開き戸(運転台の扉)をひとりで取り外していて、外したとたんあまりの重さにそのままぶっ倒れて下敷きになった人を見たことがある。怪我してなかったけど。戸閉め機械そのものが特殊なため、やっぱ付けるのも大変外すのも大変。
メンテナンス的には、300系以前よりもかなりラクになった。メンテ方式という、車両の床下側方から機器を見ることが出来る上、カバーも従来とは違った方式のため、非常に作業がしやすくなっている。
先頭車のノーズの長さの分だけ先頭の定員が減っているため、それを補うために中間者の定員が増えている。洗面所を1箇所に減らしたり、シートピッチを若干詰めたりして、1列増やしている。そのため、700系よりもシートピッチが狭いと感じた人は正解。
編成は、上に書いてあるとおりにM-M1-Mp-M2で並んでいるため、12両編成を組んだりすることも可能。パンタを考えなければ、4両も可能だったりする。実質的には12両までしか無理だけど。また、車体がアルミハニカム構造のため、先頭車化なんて野暮な考えはやめたほうがいい。アルミ溶接そのものが難しいのに、ハニカムだから相当厳しいぞー。
パンタグラフは当初から2台搭載だが、実は9号車にも搭載できるような構造になっている(W1だけかもしれない)。
W1編成は、今まで幾度も技術開発を行うためのベース車両になっているため、後藤も保安添乗員として何度も乗り込んでいるので愛着がある。