現在、省令で定められた規定に基づく、新幹線電車に対する検査周期は以下の様になっています。
・0系のみ
全般検査 90万キロ もしくは 3年以内
台車検査 45万キロ もしくは 1年以内
・100系以降
全般検査 120万キロ もしくは 3年以内
台車検査 60万キロ もしくは 1年半以内
交番検査 3万キロ もしくは 30日以内
仕業検査 2日に1回
全般検査および台車検査のみが0系と100系以降で違い、交番検査と仕業検査は同じ周期となっています。この周期は新幹線発足以来、検査や機器に対する信頼性の向上などにより検査周期の延伸が何度かされています。
ちなみに、120万キロと言っても、新幹線車両に対してはかなり短い距離で、日数よりも距離の方が先に到達してしまいます。例えば、500系車両で言えば、東京−博多間約1000キロを1日1往復した場合、1日で2000キロ、10日で2万キロ走ってしまいます。かなり乱暴な計算ですが、実際の運用には東京−博多1.5往復(3000km)なんてのもありますし、逆に新大阪までといったのもありますが、平均すればこの程度は走ります。
1ヶ月で6万キロ走ると言うことは、12ヶ月(1年)で72万キロ、20ヶ月(1年8ヶ月)で120万キロに達してしまいます。以前、全般検査周期が90万キロだったころは、ほんの1年ちょっとで再び全般検査に入ってくるという状態でした。
ただ、0系などのこだまにしか使われていない車両は、逆に日数の方が先に到達することもあるようです。
ちなみに、今の計算を使うと、交番検査は半月に1回入ってくる事になります。500系や700系はまさにその通りです。
検査に関する省令(法律)の「縛り」というものも車と変わりなく、もし定められた期日以内に検査を行わなかった場合、「検査切れ」となって走れなくなってしまいます。もし、検査切れとなった車両を走らせた場合「省令違反」となってしまいます。車両をやりくりする担当の方は、検査切れを起こさないよう常に走行キロと年数を管理して、検査を受けさせなくてはならないのです。