車両基地の種類


一口に車両基地と言っても、

いろいろな種類があります。

大雑把に分けるとするならば、

工場、運転区所、派出所の

3つくらいにわかれるでしょうか?

場所によって言い方は多々違いますけど。

まず、「工場」と言う車両基地。

これは、車両のいわゆる「病院」みたいな所で、

全般検査や要部検査などの定期点検(車で言う車検)や

改造工事などを受け持っています。

一般的に、車両の配置がないことが多いです。

JRで言えば、吹田工場や大宮工場、小倉工場などがあります。

また、工場と付かなかった、旧後藤車両所も工場でした。

次に、「運転区所」と言われる車両基地。

この手の車両基地がいちばん多く、名前もいろいろな種類があります。

電車区、客車区、車両区、車両所、運転所、機関区などなど。

この運転区所は、車両が日常的に基地とする、まさしく「車両基地」で、

車両の「家」みたいなものだと思ってください。

交番検査や仕業検査などの日常的な検査を受け持っています。

車両はこの運転区所に籍を置いて(配置して)います。

有名どころで言えば、山手電車区や大垣電車区、日根野電車区、南福岡電車区など。

名前を挙げればキリがありません。

車両の運用は、所属運転区所を軸にして行われています。

そして、「派出所」と言われる車両基地。

これは車両基地の中でも規模が小さいものが多く、

運用の都合で車両を収納するいわゆる「宿」です。

検査も仕業検査などの簡易的な検査しかしないところが多いですが、

その派出所に常駐している車両の場合、交番検査を行う事もあります。

名前も多々あり、もともと車両の配置があったのに、再編で配置が無くなった所や、

最初っから派出所として開設されたところなどふたつに分かれます。

例えば、淀川電車区という、片町線の車両を配置している区所がありましたが、

東西線開業による車両の共通運用化で、車両配置が無くなったため、

森ノ宮電車区淀川派出所と名前が変わりました。

あれ? 今は放出派出だったかな?

なお、電車区や運転所と言う名前で車両が配置されていない場合、

多くは乗務員の配置箇所になっています。

よって、車両配置が無くなって「○○電車区」が「○○電車区○○派出所」と変わっても、

乗務員の配置があるために「○○電車区」という名前が残る場合も多いです。

ちょっと違いますけど、明石電車区などがそのひとつです。

また、派出所という名前でも車両配置をしているところもあるので、

一概に派出所=車両無配置というわけではありませんのであしからず。

ややこしい話。

また、工場や車両所の話にもいくつか例外はあります。

工場にも車両が配置された例があります。

わかり安いもので言えば、救援用や配給用などで使う事業用車。

クモルやクモヤとついた車両がこれに該当します。

また、207系が配備された頃は、一時的に吹田工場に配置されました。

ただ、吹田工場と言っても、高槻派出所(もと高槻電車区)でしたが。

余計にややこしい話。

また、非電化時の和田岬線を走っていたキハ35ですが、

鷹取工場に配置されていました。

鷹取工場が移転して網干総合車両所に変わった時は、

そのまま網干総合車両所鷹取派出所となっていましたが、

交番検査などの時は要員を網干から鷹取まで派遣していました。

交番検査は配置区所で行うのが基本ですが、

こういう事もままあるのです。

総合車両所に関しては、別の項で書きたいと思います。