今や、「半導体」なしでは現代生活は営めない。
そう言わざるを得ないほど、この「半導体」は我々の生活を支えています。
多くの方がこのページをパソコンにて見られているでしょうが、
そのパソコンなんかは、まさしく「半導体の塊」です。
パソコンだけでなく、テレビやエアコン、冷蔵庫、炊飯器などの家電製品、
自動車、飛行機、船舶、もちろん電車にも使われています。
家の中で「半導体を使っていない電気製品」を見つけるのが難しいほどです。
懐中電灯くらい?
さて、そんな半導体も前述の通り電車にも多く使われています。
最初は、電車の制御をリレー(継電器)などの接点を使ったものを置き換えるために使っていました。
だから、鉄道業界では「無接点制御装置」などという言い方がよくされます。
最初は小さい電気を扱う「弱電」の世界だったのですが、
チョッパ制御を皮切りに電車を動かす駆動電流、いわゆる「強電」を扱う部分にも
多く用いられるようになりました。
さて、そんな「半導体」なのですが、
半導体って、どんなものなのでしょうか?
我々が普段ICやLSIなどを指して「半導体」といいますが、
それらは正確には「半導体素子」と言います。
そもそも「半導体」とは、
電気を流す「導体」でも、電気を流さない「絶縁体」でもない中間的なものを言います。
代表的なものとして、ゲルマニウムやシリコンなどの物質がありますが、
これらの物質は、純度が高い状態では温度が低いと電気を流さない「絶縁体」なのですが、
徐々に温度を高くすると電気を流し始めるという特性があります。
この「半導体」の特性を生かして使った物が「半導体素子」なのです。
しかし、「半導体」をそのまま使うと非常に使いづらいため、
コントロールをしやすいように若干の手を加えます。
純度の高い「半導体」に、別のものをほんのちょっとだけ加えて、
半導体そのものの抵抗を下げます。
この時に加えられた「不純物」の種類を変えることで、
半導体の中で電子が余っている「N形半導体」と
半導体の中に電子が入る穴の開いている「P形半導体」の
2つの半導体を作ることが出来ます。
左:N形半導体 右:P形半導体
こんなイメージです。あくまでもイメージであって、実際はもっと違います。
今のところ、すべての「半導体素子」はこの2種類の半導体で作られています。
この「N形半導体」と「P形半導体」の組み合わせ方や重ね方を変える事で、
いろいろな種類の半導体素子が作れます。
代表的なものとして、ダイオードやサイリスタなどがあります。
ダイオードは一番基本的な半導体素子で、
「N形半導体」と「P形半導体」を単純に重ねたものです。
左:回路記号 右:組立図
ダイオードは一方向にしか電流を流さない特性を持っているため、
電流の逆流防止や交流電気の整流(直流化)などに使われています。
図でいうと、左から右の方向にしか電流は流れません。
左の回路図でいう、三角の矢印の方向にしか電気は流れません。
逆方向に電流を流しても(右から左、NからPに向かって)流れないのですが、
どんな半導体素子にも限界というものがあり、
その限界を超えてしまうと壊れてしまいます。
つまり、反対方向にも電流が流れてしまうのです。
そのため、その限界の電圧や電流が定められています。
細かい話をしだすとこれもキリがなくなってしまうので、
半導体ってこんなもん、って感じで理解しておいてください。