レールの幅


 一口にレール(線路)の幅といっても、在来線と新幹線、JRと民鉄各社などによる鉄道事業者間の違いだけでなく、国や地域によっても大きく違います。以下の表に主だったものを載せます。

大別 レールの幅 採用している主な国、会社 備考

広軌

1668mm スペイン ポルトガル 等
1676mm インド パキスタン 等
1524mm ロシア ヨーロッパ東部等 ロシアは1520mmの説もある

標準軌

1435mm 新幹線 民鉄各社 路面電車の大半 世界鉄道の約60%

狭軌

1372mm 京王電鉄(井の頭線除く) 都営新宿線 都電荒川線等 通称:馬車軌道
1067mm JR在来線 民鉄各社 日本国内最多
1000mm ベトナム等 通称:メーターゲージ
762mm 黒部峡谷鉄道 三岐鉄道北勢線等 いわゆる「ナローゲージ」

 基本的に、世界でいちばん普及している1435mmを「標準」として、それよりも軌間の大きなものを「広軌」、軌間の小さなものを「狭軌」と呼んでいます。なお、日本では1067mmがいちばん普及しているので、日本国内では1067mmを「標準軌」と表している書籍等もありますが、基本的には1435mmが「標準軌」として通っています。
 日本で1067mmが採用された理由は、当時鉄道技術を取り入れる際、イギリスの技術を持ちこんだのが始まりです。イギリスでは、自国内は1435mmを採用していますが、植民地支配地では1067mmを導入していたため、それが日本国内の基本となってしまいました。また、一時期、国鉄(鉄道省)全路線の軌間を1435mmに改軌するという案もありましたが、おじゃんになっています。
 のちに、民鉄各社が世界的標準軌である1435mmを導入し、新幹線でも導入しました。
 なお、大手民鉄と呼ばれる15社の軌間は以下の様になっています。

標準軌

1435mm 京成電鉄 京浜急行 阪急電鉄 阪神電鉄 京阪電鉄 近畿日本鉄道(一部除く) 西日本鉄道

狭軌

1372mm 京王電鉄(井の頭線を除く)
1067mm 東武鉄道 西武鉄道 東急電鉄 小田急鉄道 相模鉄道 名古屋鉄道 南海鉄道  

 標準軌、狭軌ともほとんど同じ数となっています。なお、これに中小私鉄などを加えると、事業者単位では1067mmが圧倒的に多くなります。また、1435mmを採用した民鉄各社は、開業時に都市間連絡線として開業したものか、もともと路面電車のような運営を行っていたかのどちらかが多い様です(京王も含む)。1067mmを採用した会社は、以前は国鉄と貨物の取扱を行っていたところが多く、その関係もあったと思われます。
 ちなみに、京成電鉄は開業当初は京王電鉄と同じ1372mmでしたが、京浜急行と都営浅草線を介した直通運転を行う事になり、1435mmへと改軌した歴史を持っています。

・参考

 ちなみに、レールの幅(軌間)とは、レール2本間のいちばん狭いところを基準としています。