電気連結器

※車両基地のお話より編集して再録


117系電気連結器
最近の電車は必須の装備のいえるのが、電気連結器です。

一番最初に搭載したのは、国鉄117系だったはずです。

ちなみに117系は、後藤は国鉄の近郊電車の中では名車だと思います。

さて、その117系から搭載された電気連結器ですが、

最近の電車はほぼすべてつけています。

分割併合をしない電車はつけていませんけど。

209系とか。

なぜ電気連結器が必要か?

それは、分割併合で楽をするためです。

電気連結器のない113系や103系なんかは、

連結するときにジャンパ連結器が必要なのです。

連結面を覗いて見るとわかると思いますが

あのぶっとい、ホースみたいなケーブルね。

制御と三相と高圧補助で3本。

三相と高圧補助は付けなくても何とかなるから1本か。

電気連結器装備に改造されたものもありますけどね。

たかが1本ごときに、という方も居られるでしょうが、

ジャンパ連結器のケーブル、ひとりで持って連結されたことあります?

後藤は、ふたりでならあります。

あれって、結構重い上にジャンパ連結器が入りにくいんです。

作業の効率性も悪いし。

電車は運転時分を縮めるために、連結なんかの作業は短いほうがよいのです。

連結器で連結してから、ジャンパ連結器をえいこらしょなんて時間がもったいない。

それに、ホームと電車の間の狭い空間で作業するのは、

けっこう危ないです。

そこで、

「連結器で連結したと同時にジャンパ線もつなげてしまおう」

という発想で生まれたのが、電気連結器です。

連結器の下にカバーをしてある丸っこいもの。

これが電気連結器です。

営団01系・02系はカバーせずに接点むき出しですけど。

一応、ごみとか入ってショートとかしないようにカバーがしてあります。

連結時に、カバーがぐわっと上がって連結できます。

だからカバーが上がっている状態を見れた人は運がいいです。

RJ誌にカバー上がった状態の223系が写ってましたが、

あれはなんなんでしょう。気になります。

117系の場合、

小さい41個の接点、プラスマイナスが両側に。これが制御の接点。

真ん中に大き目のが3つたてに。これが三相。

絵にするとこんな感じ。



最近の電車は三相接点がありません。

変わりに、207系なんかは電気連結器の下に三相カプラーをつけています。

207系電気連結器 下部が三相カプラー

細長いやつね。

あれは、横に4つの接点が並んでいます。

それぞれ、U・V・Wとグランド(接地)線です。

べつに三相接点はなくてもいいんです。

電源装置が壊れたときの、電源誘導するとき使うぐらいですから。

223系は準備工事をしてあります。

さて、制御接点ですが、

5×5と4×4の接点が組み合わせて41個です。

車種によって、接点の電気が違う場合がありますので、

簡単に連結してはいけません。

221系と223系は同じです。

制御方式が違いますけど、223系のほうに読み替える装置がついています。

救援なんかで221系と117系なんかを併合する場合、

あいだにシートを挟みます。

シートは、電車に乗せてる工具箱の中に入っています。

この電気連結器のおかげで

電車の分割併合は大幅に時間短縮されました。

まぁ、自動連結装置の開発なんかも大きく寄与していますが。

空気管を自動的に繋げてくれるので便利です。

というわけで、

電気連結器を発明した人は、

とてもえらいと思います。