姫路モノレール跡探索


 以前より探索目標のひとつとして上がっていた姫路モノレールを、今回探索することにした。新幹線や山陽本線から見えるモノレールの桁を不思議に思った人も多いと思うが、姫路モノレールは1966年(S41年)の姫路博覧会にあわせて、5月17日に姫路駅前と手柄山にある姫路中央公園を結ぶ交通機関として開業したが、輸送実績の不振などによって1974年(S49年)に休止となり、1979年(S54年)1月26日に正式に廃止された。当初は路線延長をして通勤輸送にも対応させる予定だったらしいが、延長されずに観光輸送に徹したのみだったらしい。
 ちなみに、姫路モノレールは鉄レールと鉄車輪を利用した「ロッキード式」で、つい最近、同様の方式だった小田急の向ヶ丘遊園のモノレール線も廃止されている。

 姫路駅前にあったモノレール駅は山陽百貨店キャスパの一部となっている。1面1線の駅だったらしいが、往時を偲ぶものはなにも残っていません。キャスパと隣接する細い道路を渡った所からすぐに軌道桁が現れ、古びた商店の建物の上を通って行きます。

 山陽電鉄をまたぐ部分はすでに撤去されていますが、他の建物の上の軌道は完全に残っています。ちょっと怪しい本屋に立ち寄りそうになりながらも(^^;、軌道を居って行きます。

 廃止から数十年が経ち、甲子園状態になった軌道桁と橋脚もあります。

 軌道桁は、道路をまたいで大将軍駅跡に入って行きます。現在はビジネスホテルになっており、上の部分は公団ビルとなっているようですが、このビル、上の階への入り口が見当たらないんですがねぇ…。

 大将軍駅反対側です。将軍橋を渡る道路の部分は撤去されていて、軌道がなくなっています。しかし、2両編成のモノレール線だったのに、やけに長い駅施設を持ってるなぁ…。

 道路を渡ると、緩やかにカーブを描き、方角を南へと向けます。

 船場川沿いへと出て、レンガ造りの工場横を通ります。ここからしばらく、船場川沿いに軌道が続きます。

 山陽新幹線の高い高架桁をくぐります。

 山陽本線と姫新線をまたぐトラス橋が最近まであったらしいですが、JRの姫路駅高架化事業に伴う仮線切替えによってすでに撤去されています。

 船場川を越えて、文化センター方面へ方向を変える所で軌道桁がなくなります。その先にはコンビニのポプラがあり、軌道のあったあとはまったくなくなります。

 ちょっと怪しいのがこれ。新しい家と、空き地に不自然に斜めに残る低めの築堤。おそらく、ここに軌道桁があったと推測できます。

 文化センター付近も最近まで軌道桁が残っていたらしいですが、駐車場の建設とともに撤去された様です。

 そして、ここが手柄山駅の入り口。入り口は塞がれていますが、軌道桁の撤去の際に入り口の塞ぎをやり直したようです。

 反対側に回って、右側が本線、左側が検修・洗浄線。駅を突き抜けた軌道桁は西洋庭園のある辺りに切替のポイント桁があったそうです。なお、この中にはモノレールの車両が今も残されているらしいですが、中の見学はまったく出来ないようです。ちなみに、どっかで懸垂をすれば、いいものが見れるかもしれません。この部分に関して、後藤は一切の責任を持ちませんのであしからず〜。

 後藤はこのあと、手柄山遊園にしばらく滞在…。なんで滞在したかって? オレに説明させるつもりかぁ?(ぉぃ


・参考文献 鉄道廃線跡を歩くV 宮脇俊三編著 JTB発行