悪夢


ナイトメア。

悪夢のことです。

この話、鉄道の方に書こうかなと思ったんですが、

どちらかといえばこっちの方のがあってると思ったので、

こっちに書くことにしました。

さて。

後藤は検修職なので、

車両を運転するということはありません。

そもそも、免許を持っていないので、

車両は1ミリたりとも動かすことは出来ません。

あ、運転によって動かすという意味ですよ。

起動試験のときに、数ミリ動くことはままある。

場内作業等で、手押ししたり、牽引車で動かすことはよくあります。

で。

列車を直接動かす運転士という職務に就く方々には、

列車を安全に、確実に、きちんと動かすという使命があります。

ダイヤ通りに動かすのが日本の鉄道業界では「あたりまえ」です。

客扱いやその他いろいろな事象で遅れてしまったら、

万全を尽くして回復運転をしなければいけません。

ましてや、何事もないのに電車を遅らせたり、

自らのミスなどにより事故などを起こしてしまったら、

その損失は計り知れないものがあります。

列車はダイヤに沿って正常どおり、きちんと動かさなければいけません。

ダイヤよりも早く発車してしまったり、遅く発車してしまったり、

停車位置を大幅にオーバーランしたり、

停車駅を通過してしまったり、逆に通過駅に停車してしまったり、

信号を無視したりすると、

まぁ、確実にその場で運転士人生あぼーんですな。

運転士が背負っているプレッシャーというものは、

我々が普段後ろからわーきゃー言いながら見てる以上に

ものすごく重いものがあるのです。

(よって、検修職の後藤も車両故障等を起こさないようにしなければいけないのですが)

そんなわけで、運転士の方々は、

しばしば悪夢にうなされることがあるそうです。

もともと検修職にいて、運転士へと変わった人から聞いた話ですが、

ブレーキをかけても、止まらない…。

何度かけても止まらない…。

うわー! というところで目が覚めたそうです。

そのほか、遅刻する夢を見たとか。

いろいろとこの手の悪夢は皆見るそうです。

某運転協会の雑誌に載っていましたが、

運転士を定年で引退した人にこう聞きました。

「いま、鉄道の運転ゲームが流行っていますが、また乗ってみたいですか?」

と。

「せっかく電車が止まらない夢を見なくなったのに、またその夢を見ろって言うんですか」

と言われたそうな。

こう見ると、

あぁ、やっぱりゲームはゲームなんだよな、と思いました。

ゲームはゲームだから楽しめるんですよ。

とりあえず、皆さんに一言。

運転ゲームを楽しむときは、やっぱりゲームということにしておいてください。

そして、実際は悪夢にうなされる人もいるんですよ、ということも。

ちなみに、後藤の話。

悪夢、見ました……。

作業をやっていて、あまりにもトラブルが多かったのか、

残作業を伝えて作業を続行。

ところが、いくらやっても作業がぜんぜん終わらない。

焦る気持ち、時間は刻々と過ぎていくのがわかる。

やってもやっても終わらない。

なんで終わらねえんだよー、勘弁してくれよ、と

半泣きになっているところで、

目が覚めました。

「夢か……。……あー、……嫌な夢見た」

時計を見ると、寝た時間からまだ45分しか経ってない。

頭抱えましたね。こんな夢見たことに。

職場移ってもうすぐ2ヶ月。

日単位で作業を行うところから、

時間に追われる職場に移ったせいで、

自分は気づいていませんでしたが、

プレッシャーや疲労をかなり背負っていたのかもしれません。

個人的に認めたくありませんが。

もうあんな夢は、

二度と見たくありません。